リビングひろしま2012年7月21日号(電子新聞)広島で約20万部発行の地域生活情報紙
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子どもたちが心待ちにしていた夏休み。休みだからと、夜遅くまで起きていたり、食事の時間にムラが出るなど、生活リズムを崩しがちです。でも、時間に余裕がある夏休みこそ、生活リズムを改善するチャンス。そこで、広島女学院大学人間生活学部幼児教育心理学科講師の田中沙織さんに、子どもの生活リズムについて話を聞きました。(文/上野啓子、イラスト/黒松晴美) 大人は「運動」「食事」「睡眠」とばらばらに切り取って考えますが、子どもの生活は流れるようにつながっています。「寝させたいけど眠らない」「外で遊びたがらない」「ご飯を食べない」と、一つ一つの現象だけを見て、悩んでいる人も多いのでは。 生活リズムはよく風車にたとえられます。「運動」「食事」「睡眠」の3つの羽が、スムーズに回転していくのがベストです。熱心なお母さんは、すべてを完璧にしなければダメと思いがちですが、どこか一つに重点を置いて頑張れば、自然と他の羽も回転するようになるもの。「もちろん、すべてを大切にしてほしいのですが、例えば運動をしっかりすれば、自然とご飯をたくさん食べるようになり、よく眠れるようになります。まずはできることから始めてみては」(田中さん)。 「子どもの生活リズムを整えるには、まずしっかり遊び、たっぷり寝ること」と田中さん。日の入りとともに寝て、日の出とともに起き、日中は体を動かす―という生活が本来の姿といえます。「幼児期から小学生くらいまでは、少なくとも午後9時には布団に入りたいもの。そして朝は遅くとも7時までには起きましょう。幼児期は必ず10時間、できれば12時間の睡眠を」と話します。 基本は「朝ダラダラ過ごさないこと」。理想的な夏休みの過ごし方は「午前中に汗をかくくらい外で遊んだり、体を動かし、午後は自宅で勉強。そして、涼しくなった夕方にもう一度しっかり遊ぶ時間を作るのがいいのでは」と田中さん。 以前、幼稚園児を対象に行った調査で、降園後の活動量が、生活リズムが整っていない子は整っている子に比べ、極端に少ないという結果が出たとか。さらに、休日になると、午後だけでなく、午前中も活動量が減少。夏休みは、1カ月以上この休日の状態が続くため、生活リズムの違いにより、夏休み後に歴然とした差が。夏休みの過ごし方が非常に大切といえそうです。 親が子どものモデルになること。子どもと一緒に早い時間に布団に入り(寝始めだけでも)、朝は早く起きて身支度を整え、一緒に朝ごはんを食べ、休日はともに外で遊ぶなど、親が率先して行うようにしましょう。 家庭内で約束ごとを決めるのも一つの方法です。ゲームは1時間、テレビは30分など。そして歯磨きをしたら絵本を読んで寝るなど、毎日の生活パターンを決めること。体も自然と慣れてきます。 ただ、親が子どもを管理しすぎるのも問題です。「大人に指示されない、ルールのない自由な時間も必要」だとか。その中で「どうやって遊ぼう」など、思考能力が発達していくそうです。 よく遊び、よく食べ、よく眠る。安定した生活を幼児期に送ることで心も体も安定し、思春期に起こりやすいさまざまな問題も、乗り越えられるようになるといいます。夏休みの過ごし方で差がつく午前と夕方にしっかり〝遊び〞を運動、食事、睡眠が連動まずはどれか一つ頑張って幼児期の安定した生活が思春期を乗り越える秘けつ広島女学院大学人間生活学部幼児教育心理学科講師:田中沙織さん「遊びと睡眠の重要性について」、続きは2面へ成長には〝外遊び〟も重要です●女性を元気にするリビング新聞 ●麺が好き 「ツルッといけるぜ!」…8面、ワイド情報「海水浴・水遊びスポット情報」… 面日本生活情報紙協会加盟紙禁無断転載日本ABC協会加盟紙(新聞雑誌部数公査機構)女性を元気にする地域生活情報紙*ギネス世界記録認定紙*〒730-0017 広島市中区鉄砲町5-16サンケイビル4階h-living@hliving.jp「リビングひろしま.com」 http://www.livinghiroshima.com/発行/☎082(511)7700 082(511)770520万1620世帯に木・金曜日無料配布 2012 7.21 1511号12

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