リビングひろしま2012年7月28日号(電子新聞)広島で約20万部発行の地域生活情報紙
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脳卒中は大きく分けて、動脈が詰まる「脳梗塞(こうそく)」、動脈が破れる「脳出血」、動脈にできた動脈瘤(りゅう)が破れる「くも膜下出血」の3つ。死亡の6割以上を占めるのが脳梗塞です。寒さで血管が収縮して血圧が上がるために、脳卒中は冬の発症が多いと思われがち。しかし、血栓によって起こる脳梗塞に関しては、夏も注意が必要です。 暑さや発汗で脱水状態になると、血液がドロドロ状になって粘度を増し、血栓ができやすくなります。それが脳の細い血管を塞いで脳梗塞を引き起こします。 手足のしびれ、足がもつれて歩けない、言葉が出てこないなどは脳梗塞の症状です。大きな発作につながる前に、できるだけ早く脳外科、神経内科を受診しましょう。 喉が渇いた時点で既に脱水状態といえます。血液をドロドロ状にしないために、1日当たりの水の摂取量は、1〜1・5ℓが目安です(別の疾患がある場合は医師に相談)。 一度にたくさん飲むのではなく、小まめに補給することが大切。就寝前・起床後・朝昼夕の食事、午前10時ごろと午後3時ごろの〝おやつどき〞にコップや湯飲み1杯分の水を飲む、と習慣づけるといいでしょう。 冷たい水は爽快感がありますが、意外とたくさん飲めないもの。しっかり水分補給するなら、常温の水をお薦めします。 また、風呂に入る前も「コップ1杯」を心掛けて。朝、起きてすぐに温泉やサウナに入るのは大変危険です。 外出時はペットボトルや水筒を持ち歩いて、少しずつ水を飲むように。空調のきいた室内にいて汗をかくことがなくても、水分は少しずつ体外へ出ています。夏以外も油断せず、水分補給を心掛けてください。 コーヒーや紅茶、ウーロン茶や緑茶など、カフェインが入っているものは、利尿作用があります。できるだけノンカフェインの物を選び、コーヒーなどを飲む時は水も一緒に飲むようにしましょう。 体に水分を浸透させるには、塩分の補給も大切。高血圧や糖尿病などの問題がない人なら、たくさん汗をかいた後は水分補給と一緒に2g塩分を取るといいでしょう。梅干し1個、たくあん3切れぐらいを目安にしてください(糖尿病などがある人は医師と相談を)。広島県医師会会員廿日市記念病院 院長日本脳卒中学会認定脳卒中専門医狹田 純 先生脱水で血がドロドロに…喉の渇きは赤信号 上手に水を飲もう夏場は特に汗をかくので、就寝時は枕元に水を置いて、目が覚めたら少し飲むようにするのもお勧めです新ウェブサイトプレオープンのお知らせ 平素より、「リビングひろしま」をご愛読いただき誠にありがとうございます。 さて、本紙のウェブサイトを全面リニューアルした「リビングひろしま.com」(アドレスは下記)を7月19日プレオープンしました(正式オープンは8月下旬を予定)。本紙との連携をますます強め、さらにデジタル新聞の導入で、スマートフォンやタブレット端末にも対応しています。本紙同様、新ウェブサイトもご愛読いただきますようお願い申し上げます。 広島リビング新聞社http://www.livinghiroshima.com/「汗をかいていないから…」は油断禁物■すぐに救急車を呼びましょう。家族への連絡などはその後に。時間が勝負の病気です身近な人が脳卒中になったら…■卒中が起こった時刻をチェックし、10分刻みに卒中から何分たったかを記録しましょう。その後の治療に役立ちます。3時間以内なら血栓を融解させる治療ができます■意識がない場合は、誤嚥(ごえん)しないように横向きに寝かせます。しびれを感じる場合は、しびれが出たほうの部位を上にして寝かせますvol.49 昨年同様、この夏も猛暑となりそうです。脱水状態による熱中症の危険もさることながら、脳卒中への引き金になることも懸念されます。廿日市記念病院院長・脳神経外科の狹田純先生に、そのメカニズムと予防法を聞きました。(文/梶津利江、イラスト/銀杏早苗)水分足りている?脳卒中は大きく3つに分けられます脳梗塞脳梗塞脳卒中死亡の脳卒中死亡の6割6割脳出血脳出血脳卒中死亡の脳卒中死亡の3割3割くも膜下くも膜下出血出血脳卒中死亡の脳卒中死亡の1割1割脳の血管が詰まる症状。動脈硬化のために血液の流れが止まったり、血栓が脳の血管を詰まらせます。手足のしびれ、平衡感覚がなくなる、言葉が出てこない、などの症状が見られます脳の動脈が破れ、脳内に出血。血液が血腫(血の塊)をつくり、脳を圧迫して脳機能の低下が起こります。頭痛、吐き気、手足のしびれ、意識障害などが見られます脳を包んでいる「くも膜」の下、軟膜との間にある血管に動脈瘤(こぶ)ができ、それが破裂して出血。激しい頭痛や嘔吐(おうと)などが見られます40代以上は日ごろから脳卒中に注意が必要。〝脳の健康診断〞について続きは2面へ●新ウェブサイト プレオープン (アドレスは左の社告) ●知っておきたい葬祭の常識と最前線 ほか…8・9面日本生活情報紙協会加盟紙禁無断転載日本ABC協会加盟紙(新聞雑誌部数公査機構)女性を元気にする地域生活情報紙*ギネス世界記録認定紙*〒730-0017 広島市中区鉄砲町5-16サンケイビル4階h-living@hliving.jp「リビングひろしま.com」 http://www.livinghiroshima.com/発行/☎082(511)7700 082(511)770520万1620世帯に木・金曜日無料配布 2012 7.28 1512号

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