リビングひろしま2012年9月15日号(電子新聞)広島で約20万部発行の地域生活情報紙
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〈15〉2012年9月15日(土)●初七日とは… 亡くなった日から数えて7日目に行う法要。最近は、多くの参列者がそろう葬儀の後や翌日に行うことも珍しくありません。 「お墓を建てる」「葬儀を催す」…。葬祭の常識やマナーに自信のない人が多いのでは。葬儀や法要、墓地、仏壇に関する常識やスタイルは、時代とともに変化しています。本当に必要となったときに焦らないように、今の流れを知って備えておきましょう。 お墓は代々、子孫が継承するものと考えられてきましたが、少子高齢化が進む中、お墓を世話する後継者や身寄りがいないなどで、継ぐ人を必要としない「永代供養墓」が注目されています。これは、お寺が責任を持って永代に渡って供養と管理をしてくれるもの。生前、自分で「永代供養」の申し込みをする人もいるそう。費用やお墓のスタイルはお寺によってさまざまなようです。少子高齢化で「永代供養墓」が注目お参りしやすい霊園が人気 新たにお墓を建てる場合、まずは墓地探しから始めます。寺院墓地・公営墓地・地区の墓地などがあり、迷ったら石材店に行くのも一つの手段。条件に合った霊園を紹介してくれます。選ぶ際のポイントは、「交通の便」「周辺環境」「駐車場や水道などの設備」「管理料金、墓地の金額」など。最近では、アクセスが良く、バリアフリーで誰もがお参りしやすい管理体制の整った墓地・霊園が人気のようです。趣味を反映! デザイン豊かな墓石葬儀の食事「通夜ぶるまい」は軽めに●豆知識●年忌法要(または年回忌)とは… 故人の祥月命日(しょうつきめいにち=亡くなった同月同日)に営む法要を回忌法要といいます。亡くなった翌年を1周忌、2年目を3回忌、6年目を7回忌として営み、13回忌、17回忌と続きます。法要を行うには祥月命日が理想的ですが、実際には参列者のことを考慮して、休日などを利用するケースも多いようです。〝自分らしさ〟を紡ごう55歳からの生き方 指南書 アクティブシニアの悩みの一つに、仏壇やお墓の買い替え・始末の仕方があります。親世代から大事に引き継いできたものの、子どもの世代に継がせるのが難しいとよく聞きます。 仏壇の買い替えについては、まずはその家庭にあったサイズの仏壇を購入して、新旧の仏壇それぞれに宗教儀式を行います。その後、不要になった仏壇は、新しい仏壇を買った業者に解体処分してもらうことが多いようです。夫婦それぞれの実家で宗派が異なったり、どうしても仏壇の維持が難しい場合などは、専門業者に相談しましょう。 お墓の引っ越しは、まずは今の菩提(ぼだい)寺の了解を得たあと、近くの公営墓地や霊園、寺院墓地や納骨堂などから引っ越し先を確保します。その後は、市町村に改葬手続きを申請し、宗教儀式を行って御霊を移すことになります。墓地は、①宗派を問うか問わないか、②「家」単位なのか個人・夫婦単位なのか、③管理料は年単位で支払うのか永代供養代としてまとめて先払いとなるのか、「永代供養」の期限の有無など、条件の違いがあるので事前の確認が大切です。 最近「自然葬」として注目されている樹木葬や散骨は、今のところ、広島ではほとんど行われていないようです。いずれにせよ、家族みんなでよく話し合い、お互いが納得することが大切です。 年金生活を始めるに当たっての心配ごとは、何といっても「年金だけで生活ができるかどうか」ということ。ただし、ほとんどの人が、資産の状況や生活費、年金額などを具体的に把握しておらず、気持ちだけが先行して心配しています。老後はいくら必要? 世帯主が65歳以上で、無職の世帯の平均実収入は、約24万円。非消費支出(およそ2・5万円。左の「用語の解説」参照)を含む実支出は27万円で、不足分が3万円となっています。 また、厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の総所得はおよそ299万円。そのうち211万円(71%)が公的年金によるものです。月額23万円で生活(生命保険センター「生活保障に関する調査」)する場合、年金だけでは年額65万円が不足します。老後を仮に25年とすると、年金以外に1625万円の生活費が必要です。 老後資金はこのほか、住宅改修費や冠婚葬祭費、子どもへの支援、趣味や夢の実現のためなどさまざまな費用があります。医療や介護への備えも必要でしょう。これらが必要な時、必要な額が準備できるように、今後の計画表を書いてみてはいかがでしょうか。その際のポイントは、毎年の資産残高。老後のために蓄えたお金を生かして、心豊かな暮らしを実現したいものです。 「老後資金はいくらあればよいか」という問いに、「確実な答えは持ち合わせない」というのが私の正直な気持ちですが、暮らしは今も将来も充実したものでありたいと思います。収入や将来の夢に見合った合理的な暮らしを続けること、つまり堅実な生活の先に安心な老後があると言えます。ただし、これから老後の資金をという人は、退職時に住宅ローンなどを残さない返済方法をお勧めします。時間の上手な使い方もポイント さまざまなメディアが、「老後の資金は○○○円が必要」などと言います。必要とする資金は、人それぞれで異なります。貯蓄額に一喜一憂する前に、現実をしっかり見据え、自分に見合った暮らしを実現することが大切だと思います。 ほんの少しのお金は必要ですが、お金を使わなくても楽しめる趣味、ボランティアや地域活動などの生きがいはたくさんあります。〝時は金なり〞と言いますが、リタイアとは、期せずして金持ちならぬ〝時持ち〞になること。時間の上手な使い方も、元気で生き生きと生活するためには、大切なポイントです。◇山崎 アクティブシニア世代にとって「お金の健康」とは、将来の希望に見合った合理的な消費生活を心掛けること。さらに、堅実な生活の先に、安心な老後があるということを学びました。 (文/健康デザイン研究所代表 山崎勇三)はしもと行政書士事務所 橋本 明子(行政書士・消費生活アドバイザー) アクティブシニアの関心事の一つに、お金の問題があります。退職後の生活設計を立てるため、日々の生活費や保険の見直し、資産運用などを考えますが、分からないことばかりですね。そこで、アクティブシニア号のナビゲーター・山崎勇三さん(健康デザイン研究所代表)が、弊紙の連載コラムでおなじみの出路千恵さんに、シニア世代のお金の悩みについて話をうかがいました。 終末を考える【第6回】お墓、お仏壇の継ぎ方は家族で話し合いをプロフィル/出路千恵(でじちえ)。広島県金融広報アドバイザー、消費生活アドバイザーとして活躍。リビングひろしまの連載コラム「出路千恵の家計診断」を執筆貯蓄額に一喜一憂する前に、現実に見合った暮らしを計画【用語の解説】 非消費支出とは? 年金生活でも社会保険や税金は必要で、これが非消費支出に当たります。現時点での状況として、夫が65歳以降の収入を年金のみの228万円だけとすると、市・県民税がおよそ3.8万円、国民健康保険料が17万円(2人分)、介護保険料が8.4万円で、合計29万円となります。ただしこれらの費用は前年の収入で算出されるので、退職1年目はこれよりかなり高額になる場合があります。老後の資金に悩みは尽きないもの県・市民税国民健康保険料介護保険料 最近の墓石は宗派や伝統にとらわれず、洋風のものや、ゴルフや囲碁など趣味を反映したデザイン墓なども。生前、自分の好みの墓を購入する人もいるようです。墓石を選ぶ際、浄土真宗では、特に決まりはないようですが、宗旨宗派による規定もあるので、事前にチェックを。 自分の希望があれば、家族や周囲の人に伝えたり、準備しておくことも大切。自分の〝終活〟を考えることで、充実したセカンドライフが送れるはずです。■墓石の種類は? 墓石の素材にも国産・輸入品があり、愛媛県大島産や香川県庵治町産が有名です。石碑(ひ)工事は、おおむね1カ月前後かかるようです。 葬儀の中で大変なのが、飲食の支度。とくに人数を把握しにくいので、準備に戸惑うこともしばしば。まずは通夜の後に、弔問客に感謝の意を込めて食事などを振る舞う「通夜ぶるまい」を用意。軽くつまめて、数も融通がきくむすびやサンドイッチ、オードブルが一般的。これとは別に遺族や世話役のための夜食も用意しておくとよいでしょう。葬式当日の朝食は、手配を頼める葬儀社もあるので相談してみましょう。葬儀前後の昼食は、一人分ずつのお弁当が便利。斎場での昼食になることもあるので、斎場に行く人の人数分手配しましょう。 ■「精進落とし」とは? 当日参列していただいた人に感謝の意味を込めてもてなすのが「精進落とし」。四季折々の材料が使われた豪華なお膳が用意されます。

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