リビングひろしま2013年3月9日号(電子新聞)広島で約20万部発行の地域生活情報紙
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〈5〉2013年3月9日(土) 東日本大震災から2年。あれから日本人の家づくりの考え方が変化しています。どんな住まいを選べば、命や財産を守れるのか―。震災後、すぐに現地へ訪れ、福島県郡山市にWPC工法の仮設住宅を建設した「百年住宅」。代表の中嶋文雄さんに、これからの家づくりについて伺いました。写真上/多くの家が津波で流される中、5mの津波に耐えたWPC住宅。土砂を受け止め、隣にある木造住宅も流されずに残りました 写真下3つ/東日本大震災後の現地の様子。もう二度と、悲しむ家族をつくらないために、百年住宅は〝強い家づくり〟に本気で取り組んでいます災害から命を守る〝避難場所〞になる家百年住宅西日本東日本大震災から2年 編集 せっかく建てた家が地震で倒壊して、多くの借金と瓦礫だけが残るのは空しいもの。充実した保証制度があればいいのですが…。 中嶋 当社では、災害に強い家づくりに取り組んでいます。阪神大震災の時、阪神地区には495棟のWPC住宅がありましたが、窓ガラス1枚割れなかったという実証があります。築28年の家もありましたが、全棟が無傷です。 その実績に甘んじることなく、阪神大震災後、さらに〝地震に強い家〞を目指して、東京大学との共同研究で振動台実験を行い、NWPC住宅「やまと」を開発。日本最大級の被害をもたらした阪神大震災クラスの揺れが来ても耐えうる構造体にしました。 これらにより、地震に強く、津波にも流されない、そんな構造体が完成しました。「この住宅なら地震保証ができる」と確信して、「35年地震保証」制度を導入しました。もちろん全壊したら建て替えです。大震災後、命や財産の不安にさいなまれている中で、地震保証が何よりも皆さんの安心につながるのではないかと思っています。 編集 地震や津波以外の災害や経年劣化に対する保証はありますか。 中嶋 新築当初は十分な強度があっても、経年劣化により土台が腐ったり、シロアリの被害を受けることがあります。そこで、最も重要な構造部分は耐久性の高い素材でつくるべきだと思っています。コンクリートは腐らないし、シロアリにも強いです。 すでに平成6年から「構造躯体の無条件35年保証」を行い、翌年には「台風保証」もスタート。当社では、地震をはじめ、台風、土砂災害、火災、シロアリなど、あらゆる災害に対する研究を行っています。住宅を襲う全ての災害に対し、無傷で〝完全勝利〞する家を提供することが、私たちの使命だと思っています。―災害に強い家を目指し業界初の「35年地震保証」をお約束「長く安心して住み続けられる家を選びたい」WPC工法の仮設住宅を全96戸提供。2階建てなので通常の仮設住宅の半分の用地で建設できました 編集 2年前の東日本大震災の衝撃的な映像は、広島に居た私の心にも深く残っています。技術が進歩する中で「災害から命を守る家」の実現は難しいのでしょうか。 中嶋 今も被災地には、倒壊した家屋の瓦礫(がれき)が至る所にあり、まだ復興したと言える状況ではありません。 震災発生から2週間後に被災地を訪れたのですが、「被災地域のすべての住宅がWPC住宅であったなら、人々の命を守れたのでは…」という思いをぬぐい切れませんでした。というのも、今回の大津波でWPC住宅は流されなかったのです。「人の命を奪う住宅を作ってはいけない」とさらに強く思いました。 編集 その思いが、仮設住宅の建設につながるのでしょうか。 中嶋 住宅メーカーとして何かできないかと考え、福島県郡山市にWPC工法の仮設住宅を建設し、提供しました。通常、プレハブ造りの仮設住宅が多いのですが、WPC工法の鉄筋コンクリートで建てるなど前代未聞のことでした。また通常、半年以上かかる工期も、全社体制で取り組み、3週間で完成。この期間、進行中の現場の施主さまに事情を話して、工事をストップ。皆さん快く応じてくださいました。 そして、今も余震が続く現地で「WPC工法の仮設住宅なら安心して過ごせる」という声を聞くと、間違いではなかったと思いますね。―WPC住宅は、あの大津波でも流されていません「津波や地震から命を守る家とは?」5mの津波に耐えたWPC住宅 PRESENT命を守る家づくりがさらに詳しく分かる「日本を守る家」を先着30人にプレゼントなぜ地震に強いのか、家づくりのアイデアが満載(防災住宅研究所刊、208ページ、B6版、1,470円)※希望者は、下記の電話かFAXで百年住宅西日本に直接申し込みを→●水没実験●~百年住宅㈱中嶋雄社長が体験~注水中の津波シェルターペントハウス実験後、無事外へ 編集 WPC住宅の強さの秘けつとは? 中嶋 WPC住宅はPCパネルという非常に高密度で強い鉄筋コンクリートのパネルを組み合わせて作ります。津波や土石流などが発生した場合、非常に大きな力が家屋を襲い、軽い木造や軽量鉄骨の家は崩れたり流されてしまいがちです。しかし、WPC住宅は1棟当たり180tもの重量があるから津波でも流されませんでした。 編集 最新の津波対策として開発された「津波シェルターペントハウス」はどんなものですか。 中嶋 もし、真夜中に地震や津波が襲ってきたらどうやって逃げますか。真っ暗でしかも周囲は瓦礫だらけ…。健康な大人でも避難するのは簡単なことではありません。ましてやお年寄り、子ども、障害のある人の避難は困難でしょう。 そこで、〝逃げなくていい〞家づくりに挑戦するべく、津波シェルターの開発に着手しました。何度も失敗を重ね、東日本大震災から6カ月後にやっと第1号が完成しました。第1号は、16個の部材で作っていたのですが、部材が多いと地震によってシェルター内に水が進入する原因になりかねません。それから1年をかけ、さらに部材2つのみでシェルター第2号を完成させました。 家の中に避難できる場所があるというのは、海岸近辺に建てる方の安心感につながるはずです。 最新の津波シェルターペントハウスは、山口県岩国市の住宅展示場で見ることができます。強さを極めるための、私たちの研究の成果をぜひ一度体感してみてください。―最新の津波対策として屋上に津波シェルターを開発しました「〝もう逃げなくていい〞家ができる?」岩国の展示場にある、最新の津波シェルターペントハウス。船舶用の扉を使用し、扉を閉めると、シェルター内に水が入りません。避難用具や非常食を用意しておくと安心百年住宅グループ 代表中嶋文雄さん「日本の家を守りたい」家族を守るには、かなり強い家ではダメ〝絶対に強い家〟が必要だ!WPC住宅によって守られた木造住宅 牛田アスタ住宅展示場で、WPC工法の強さを体感してみませんか。モデルハウスには、住む人の命と財産を守るための工夫が満載です。家づくりの参考にぜひ家族で訪れてみては。WPC鉄筋コンクリート住宅を展示場で体感0120(089500)TEL:082(511)7200 FAX:082(221)7533東区牛田新町2-2-10-12 牛田住宅情報スクエア「アスタ」内営業時間/10:00~18:00百年住宅西日本(株)広島営業所東区スポーツセンターアストラムライン大芝水門牛田上野学園ホールアスタ展示場R183太田川R54屋上庭園のあるモデルハウス。暮らしやすい工夫もチェック

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