リビングひろしま2014年6月14日号(電子新聞)広島で約20万部発行の地域生活情報紙
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2014年6月14日(土)〈8〉グローバルリーダーを育てる試みに注目大阪大学は昨年、創立100周年を迎える2031年に、世界トップ10の研究型総合大学になることを宣言。今年はさらに、〝世界適塾〞の構想を打ち出しました。これは、同大学の原点である〝適塾〞のグローバル版ともいえるもの。副学長の東島清さんは、「かつて大学は知識を独占する場所でしたが、今では知識や情報は、大学に行かなくても手に「世界中で知られている〝ヒロシマ〞から、〝平和・自由〞を基本理念に掲げる本学のマインドを持って、世界で活躍できる人材を育成することが使命」と語る、広島大学副学長の坂越正樹さん。意欲ある多様な学生を受け入れるため、高校生のグローバル化に取り組んでいる広島県教育委員会と連携し、AO入試で高校での留学体験を評価材料の1つに。また語学2016年度から、高大接続型の〝京都大学特色入試〞を始める京都大学。副学長の淡路敏之さんは、「これからは、世界と日本が相互に越境する時代。そのような世の中でリーダーシップを取れる人材、自ら課題を見つけて、社会や科学分野でのイノベーションを起こせる人材を育てるには、大学だけでは間に合わない。高校から始めていか文理総合型の研究大学を目指す神戸大学。副学長の井上典之さんは、「神戸高等商業学校を起点としており、当初から、理論をどう実践するかを大切にして発展してきました」と話します。昨年度は、文部科学省の研究大学強化推進事業の支援対象機関として、全国22の大学・研究機関の1つにも選出(※)。「文理融合型の研究は、本学が得意とするところ。海外の大入る時代になりました。では、大学は何を担うべきなのか。それは、集めた知識を、いかに使うかを教えること。世界中の研究者とつながり、協力し合って、課題発見力と解決力をつけてあげることだと思うのです」と話します。学生の主体性を伸ばし、グローバル人材を育てるためには教育方法から変えていかなければと、昨年6月に教育学習支援センターを発足。12月から、新しい授業方法を教員に伝えるための本格的な活動がスタートしました。さらに、「本学が送り出すべき人物像は、自ら課題を設定し、解決できる力、他分野の人に分かりやすく伝え、協力できる力をもつ人材」と東島検定試験(TOEICや英検など)の実績も活用していく予定です。高校までに海外体験の少ない学生については、入学後に希望者を対象に2週間の海外留学を助成する「STARTプログラム」を実施。自分の語学力を知り、異文化を理解する視野を広げることを目的としています。帰国後の学生が、日本や広島のことをより深く学ぶ必要性を感じたり、次は中長期の留学をめざすなどの効果が見られ、定員枠をさらに広げたいと考えています。また1年の春と3年の秋に全学生を対象に、大学が検定料を負担して「TOEIC」を受験。1年時の成績は「STARTプログラム」の選定基準として、3年時の成なければ」と、その意義を語ります。研究型大学として、学部ごとに育てたい人材像があり、学力プラス、その資質を見いだすために行われる新たな試み。同大学ではこのような〝高大接続型入試〞の必要性が、10年も前から検討されていました。「現行の学力試験では判定が難しい能力の評価、自学自習ができ、学びの設計力を有し、将来の成長が期待できる人材を選抜する要項の作成に3年かかりました。受験環境に左右されない、〝草深い場所〞からの人材発掘にも期待しています」入試の時期は学部ごとに異なりますが、10月末から3月下旬まで。大学入試センター試験の成績は基礎学力を見るために学との連携体制も整っており、EU地域、ASEAN地域にも多くの連携大学を持っています」この強みを生かし、2011年にはイギリスの名門大学・オックスフォード大学と学術交流協定を結び、〝神戸・オックスフォード日本学教育プログラム〞を開始。毎年10月から1年間、オックスフォード大学から2年生12人が来日し、文学部を中心に神戸大学全学部協力の下で学びます。「本学の学生との交流も活発です。イギリス最古の、伝統ある大学の学生と、相互に刺激し合える環境があることは本当に貴重。積極的に交流し、国際感覚を身につけてもらいたい」と、井上さん。このような取り組みの数々は、〝グローバル・さん。出口に向けて、入り口から変えていくことが必要と、入試改革にも積極的に取り組んでいます。ペーパーテストからだけではわからない、すぐれた能力を測るために、昨年度から理学部研究奨励AO入試を実施していますが、2016年度から、出願要件の幅を広げて募集します。「高校時代にさまざまな研究や活動をしていた生徒に目を向けた入試です。広く〝育てるべき人材〞に入学してもらうために、教育体制も整えています。物事の本質を見極める洞察力を身につけ、社会から信頼されるたくましい人材を育てたい」世界標準の新時代を担う人材を育てるべく、〝世界適塾〞が始動します。績は論文作成や大学院進学のための基礎資格としてみなすとともに、学生の自主的な語学学習を促進します。さらに現在検討を進めているのが、1年を約2カ月単位で区切る4学期制の導入。集中して単位を取得した後、自己資金をためてボランティアや留学を体験するなど、4年間をより有効に使うための自由度が高まります。「もちろん自分で計画を立てて実行する力が不可欠。グローバルなコミュニケーション能力についても、ツールである英語を用いて、どんな思考や知識などのコンテンツを発信できるかが重要です。自らの意思で身に付けた多様な知識を、広い世界で生かしてほしいと思います」利用されます。「高校3年間でその生徒が何を主体的に学び、課題を追究してきたか。ほかの生徒と比べてどの点で光っているのか。高等学校長には、調査書のほかに学修成果に関する書類を提出してもらい、志願者にも、3年間で学んだこと、本学で何を学び、どのような仕事に就きたいのかなど、〝学びの設計書〞をもとに記入してもらいます。さらに各学部で必要な面接や口頭試問、筆記試験なども実施し、全学部合計100余人を募集します」いわば〝志願者の学びの志を見る入試〞。同大学が取り組むグローバルリーダー育成への取り組みは、新たな段階へと進んでいます。ハブ・キャンパス〞構想へとつながります。これは、同大学とEU、ASEAN、北米を共同研究で結び、相互の学生や研究者が同大学を介して結びつくというもの。真の国際人を生み出すために、入試にも変化が。「本年度は、前期日程の英語の入試問題を全て英語で作成したほか、国際文化学部では2016年度から、TOEFLのスコアを利用した推薦入試を導入します。また、学部学科を決めない特別選抜の受け皿を作り、一定定員を設けて、高大連携型でのグローバルな視点を持った文理を問わない学生を募集する、英語でのプロポーザル方式の入試導入も考えています」研究型総合大学を推進し〝世界適塾〟へ教育学習支援センターの活用と〝送り出すべき〟学生へのアプローチもヒロシマから世界へ、世界からヒロシマへ海外体験をサポートするSTARTプログラムの充実や4学期制導入を推進さまざまな問題が複雑に絡み合う現代社会自ら課題を見けて解決まな問題が複雑に絡み合う現代社会自ら課題を さまざまな問題が複雑に絡み合う現代社会。自ら課題を見つけて解決絡み合う現代社会。自ら課題を見つけて解決 さまざまな問題が複雑に絡み合う現代社会。自ら課題を見つけて解決雑に絡み合う現代社会。自ら課題けて解み合う現代 さまざまな問題が複雑に絡み合う現代社会。自ら課題を見つけて解決問題が複雑に絡できる真のグローバルリーダーを育てるために大学はどのような取りできる、真のグローバルリーダーを育てるために、大学はどのような取る、真のグルリダを育てるためを育リーダーを育てるために、大学はどののグローバルリーダーを育てるために、大学はどのような取り大学はルリーダーを育てるたのようなできる、真のグローバルリーダーを育てるために、大学はどのような取り組をう関国立大学広島大学副学長みをしているのでしうか関西の国立3大学と広島大学のでしょうか関西の国立3大学と広島大学の副学長にうか関西の国立3大学と広島大しょうか関西の国立3大学と広島大学の副学長に組みをしているのでしょうか。関西の国立3大学と広島大学の副学長に聞みをしているのでしょうか。関西の国立3大学と広島大学の副学長に聞組みをしているのでしょうか。関西の国立3大学と広島大学の副学長に聞聞でしょうか。関西の国立3大学と広島大しょうか。関西の国立3大大の副学長組みをしているのでしょうか。関西の国立3大学と広島大学の副学長に聞のでしょうか。関西の国立3大学と広島大学の副学双方向の国際社会をリードできる人材育成2年後に高大接続型京大特色入試を導入世界のハブ・キャンパンンスとして未来をつかむ文理融合型研究やオックスフォード大学との交流など活発な取り組み神戸大学・副学長井上典之んさん京都大学・副学長淡路敏之さん大阪大学・副学長東島清さん広島大学・副学長坂越正樹さん京都大学・大阪大学・神戸大学・広島大学の副学長に入試改革と人材教育について聞きました大阪大学京都大学広島大学神戸大学※関西ではほかに、京都大学・大阪大学・奈良先端科学技術大学院大学が選出されています。1886年の創立以来、社会に貢献できる女性の育成に努めてきた広島女学院中学高等学校。今年3月、文部科学省が指定する「スーパーグローバルハイスクール」(SGH)」に、全国56校中の1校として選ばれ、広島県で唯一の指定校となりました。創立時からの伝統として英語教育に力を入れてきた同校は、その強みをさらに広げる取り組みを進めています。「大学入試に導入されるとも言われるTOEFLについては、中1・高1の全生徒に、対策用のeラーニングソフトを導入。放課後にはネーティブの先生による対策講座も実施し、生徒が自主的に学べる環境を整えています」と校長の星野さん。さらに今年度からは、海外研修を拡張。従来のアメリカ、オーストラリアに加えて、ミャンマー、カンボジア、韓国でも研修を行います。「同年代の多様な若者との交流は、実践的なコミュニケーション力を磨く絶好の機会。その体験は必ず大きな力になります」広島女学院中学高等学校校長 星野晴夫さん1886年創立、広島の伝統校が取り組むこれからの人材育成県内で唯一「スーパーグローバルハイスクール」に指定国際社会で活躍できる〝しなやかな女性〟を育てる広島女学院中学高等学校福屋三越広島県立美術館アーバンビューアーバンビューグランドタワーグランドタワーアーバンビューグランドタワー白島線城南通り広島女学院中学高等学校たロゴ。気品ある紫は同校のシンボルカラーアメリカの高校生に、広島平和記念公園を英語で案内する体験も。「英語教育」と連動した、実践的な「平和教育」は、同校の創立以来変わらない伝統◀国連本部で英語でスピーチする、同高3年の久保田一帆さんと今井穂花さん伝統の「英語教育」をさらに充実同校が取り組んできた「平和教育」も、次代のリーダー育成を目指すグローバル教育の一環として、注目を集めています。今年4月には、ニューヨークの国連本部で、同高3年生が英語で発表を行いました。「被爆地の若者の代表として、核廃絶を訴えました。〝ヒロシマ〞から世界へ向けて〝平和〞を発信するには、英語力はもちろん、意見の違う相手と合意形成できる、優しさと思いやりを備えたリーダーシップが不可欠。それらを身に付けた〝しなやかな女性〞を育てていきたいです」6月14日(土)には、SGH指定の説明や、校内を回るスタンプラリー、食堂体験などを行う学校見学会「おさんぽ☆女学院」を開催。詳しくは問い合わせを。〝ヒロシマ〞から〝平和〞を世界へおさんぽ☆女学院■ 日時/6月14日㈯10:00~12:30ころ※予約不要、要上履き■ 場所/同校ゲーンスホール■ 対象/小学生女子と保護者■ 内容/SGH指定を受けての説明会、礼拝体験、食堂体験など■ 問い合わせ/☎082(228)4131同校(中区上幟町11-32)スーパーグローバルハイスクール(SGH)■ 将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を目指して、文部科学省が2014年度創設■ 全国の国公私立の高校、中高一貫校から計56校を指定。2018年度まで5年間で、質の高いカリキュラムの開発や展開に取り組む

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