リビングひろしま2015年9月12日号(電子新聞)広島で約20万部発行の地域生活情報紙
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2015年9月12日(土)〈4〉スペシャルインタビュー塩崎大臣、「女性の活躍推進」って具体的にどういうことですか?働きたい女性が力を発揮できる環境づくりを出産を機に辞める女性が約6割再就職が難しい現状も変えていく―日本での「女性活躍」の現状と課題を教えてください今でも、1人目の出産を機に仕事を辞めてしまう女性が約6割います。さらに出産・子育てに専念した後、30代・40代で再就職しようと思っても働けない方が約300万人。かなり前ですが、私の妻は、子ども2人を産んで仕事に復帰しました。0歳から保育所に預け、隣に住む親にも見てもらえました。これは、たまたま環境が整っていたからできたことですが、〝たまたま〞ではダメなのです。また、再就職をする女性は、パート・アルバイトなど、圧倒的に非正規雇用が多い。勤務時間の自由さなどを望む場合もあるけれど、希望しても正社員になれない人も多数います。まずは女性が辞めないで働き続けられ、もし辞めたとしても希望する仕事に戻りやすい環境をつくる必要がありますね。企業が変わるための行動計画を策定子育て支援もさらに充実させます―リビング新聞の調査(下参照)では、企業や社会が変わらなければ、女性の負担感が増すだけという声が多くありましたそうですね、企業が自ら変わることは、とても重要。「女性活躍推進法」(1)では、企業に対して、女性が活躍できる職場かどうかの状況を把握し、課題解決に向けた行動計画の策定・公表を求めています。男性の育児休業取得など一定の要件を満たした企業が認定され、税の優遇もある「子育てサポート企業(くるみん)」認定制度(2)も有効です。一方で、「子ども・子育て支援新制度」(3)が4月からスタートしました。要望の大きい保育の待機児童解消の加速化(4)にさらに力を入れるとともに、小学校入学後の放課後児童クラブについても充実(5)させていきます。そのほかにも、再就職のための支援を切れ目なく行っていきます。また、WEBなどでもさまざまな情報を提供(6)していきます。再就職を希望する方は、まず一歩前進して、要望があれば、ぜひ声を発信してください。〝女性の活躍推進〞という言葉はよく聞くけれど、何が進んでいるの?私たちの暮らしや仕事にどんな関係があるの?今回は厚生労働省の塩崎恭久大臣に、どんな取り組みで、どう変わっていくのか話を聞きました。●プロフィル (しおざき・やすひさ)1950年愛媛県松山市生まれ。1975年東京大学教養学部卒業後、日本銀行入行。1982年ハーバード大学行政学大学院修了。1993年衆議院議員初当選。2006年内閣官房長官・拉致問題担当大臣。2014年に厚生労働大臣に就任厚生労働大臣塩崎恭久さん※本文中の1~6のキーワードもチェックしてKey word16~もっと知りたい!今国会で成立、2016年4月から施行。女性が職業生活において個性と能力を十分に発揮し、活躍できる環境の整備を定める法律。再就職や、仕事と家庭の両立に必要な環境の整備も含みます。国や自治体、従業員301人以上の企業に女性活躍に向けた数値目標の設定や行動計画の策定、情報の公表を義務付けています(300人以下は努力義務)女性活躍推進法1企業が一定の要件を満たし、申請すると、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣から「くるみん」の認定を受けられます。4月からは、より高水準の「プラチナくるみん」認定制度も登場!子育てサポート企業(くるみん)2すべての子ども・子育て家庭を対象に、幼児教育・保育、地域での支援の質・量の充実を図ります。幼稚園と保育所のいいところを取り、幼児教育と保育を一体的に提供する「認定こども園」を増やすほか、小規模な保育や多様な保育を充実させていきます子ども・子育て支援新制度3平成25年度から29年度までに約40万人分の保育の受け皿を新たに確保するとともに、保育を支える保育士を増やします待機児童解消加速化プラン4「小1の壁」打破のために、放課後児童クラブを平成31年度までに約30万人分新たに整備放課後子ども総合プラン5職場復帰や再就職をサポートする情報満載。「厚労省 カムバック支援」と検索を仕事と育児のカムバック支援サイト6 リビング新聞では、政府の女性活躍推進の施策21項目について認知度や期待度を調査しました。◆認知度ベスト31位:マザーズハローワークなど、子育てしながら就職を希望する人の支援拠点の拡大…25.8%2位:公的職業訓練の女性再就職支援コースや託児サービスの拡充…25.5%3位:働き方に中立的な税制・社会保障制度への見直し…22.4%※認知度は、いずれも1/4程度と、まだまだ低め◆期待度ベスト31位:公的職業訓練の女性再就職支援コースや託児サービスの拡充…51.6%2位:保育の待機児童解消加速化プラン…50.2%3位:放課後子ども総合プラン…49.6%※期待度は、子どもを安心して預けられる環境の整備が上位に アンケートの項目など詳細は、リビングくらしHOW研究所のホームページで「女性活躍推進」と検索して確認を。再就職や職場復帰に向け、安心して子どもを預けられる環境整備を!「女性活躍推進施策」の認知度・期待度を調査※アンケートはサンケイリビング新聞社の公式サイト「リビングWeb」「あんふぁんWeb」「シティリビングWeb」で2015年5月に実施(有効回答数・女性1718人)▶くらしHOW http://www.kurashihow.co.jp/

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