子育て親育ち リビングひろしま(電子新聞)広島で約20万部発行の地域生活情報紙
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子育て親育ち〈6〉『vol.5』(「リビングひろしま」2011年6月25日号18面掲載)皆さんはお子さんとよく話をしていますか。森川中学生になるとこちらが話しかけても、「うん」「それで?」「別に」など、単語で返ってくることが多くなりました。石本こっちが求めたものとは違う答えが返ってきて、それで会話が終わっちゃうんですよね。部活のことなど、楽しいことがあるとよく話しますけど…。学校でもめごとがあり、心中モヤモヤしているときに私が詮索すると、「しつこい」の一言。自分の中では済んでいることを聞かれるのも嫌みたい。森川疲れているときやイライラしているとき、試験前は口数が減りますね。そういうときほど、親としては話を聞きたいんですけど…。石本何かあったんだろうって、話さなくても表情や態度に出ていますからね。また子どもが話をしているのに、親が意見を言ったり、口を挟んだりしてしまうのよね。森川そうそう、子どもの話を聞いているつもりが、気が付いたら自分がしゃべってることも。子どもにとってはうっとうしいでしょうね。また、人と比べられることも嫌がりますね。石本子どもの話を軌道修正し、親が思った結論に導こうとするときなどもそうですね。中村本当は、親に話を聞いてもらって気持ちを落ち着かせたいのに、親の気持ちと食い違うと話がつながらなくなることも。子どもが黙ってしまったとき、どう話を切り出していますか。森川親が子どもの気持ちを聞き出そうとし過ぎて、そこで会話が止まってしまったとき、ちょっと間を空けることが大事かな。それは、親の方が冷静になる時間かも。石本そうですね。その日のうちで時間を空けるということもあるし、日にちを改めるということも必要かと思います。言いたくなったら、そのうち言うだろうというのはありますよね。中村皆さんは、子どもとのコミュニケーションで心掛けていることはありますか。森川うちは、食事もテレビを見るときも、私の仕事や子どもたちの宿題も、全部リビングで行っています。子ども部屋はあるけれど、それは寝る所。子どもたちにとってリビングが居心地のよい場所になるよう心掛けています。石本うちも同じ。みんながリビングに集まるようにしています。森川私の発言が、自分の親に言われたことをそのまま子どもに言っているように思うことがあります。だから、私も言われて嫌だったはずなのに、今また同じように言っていることも。だから親の影響って大きいですよね。中村子どもの反応がなかった場合、「まあいいか」とほったらかしにするのと、「何かしゃべってくれるだろう」と信じて待つのとでは違いがあると思いますが…。森川ほったらかしはいけないと思います。石本例え、子どもが何歳でも放任はいけないと思います。「信じて見守る」のと、「好きにしなさい。私は知らない」というのは全く違います。森川子どもに任せるというのが、親の都合になってない?「もう小学生じゃないから自分でしなさい」ってよく聞くしね…。石本急に何でも、大人料金よね(笑)。中村心が通う親子関係は、どうやれば作れるでしょうか。森川子どもが小さければ、ハグハグは大事だと思います。小さい子は言葉では理解できないので、親の肌のぬくもりで、心地よさや安心を感じることになります。中村うちの場合ですが、娘も息子たちも中学生のときに、一晩中語りあかしたことがあります。「これでハートがつながったかな。後は信じてやってもいいんじゃないかな」と思いました。何でも話し合える親子関係って難しいと思いますが、乳幼児のときの接し方がちょっとまずかったとしても、取り戻すことってできますよね。お二人は子育て支援センターのスタッフということで専門家の視点でアドバイスがいただけますか。石本遅いっていうことはないです。小さいときから親子の土台ができていて、その上にちょっとずつ乗せていくというパターンがいいとはされています。でも、やり直しはきくと思います。〝家族からこんなに愛されている〞ということに気付いたら、そこからやり直しはできます。森川親子関係は、それぞれ家庭で違うから、正解はないと思うんです。でも、親の気持ちは言葉で伝えなければいけません。「お母さんは、こんなふうにあなたのことが大事なのよ、好きなのよ」ということをどんどん言ってほしいですね。「きっと分かってくれているだろう…」じゃなくて、分かるような方法で伝えてください。中村食事は体の栄養、言葉は心の栄養だと思います。「話してくれない、聞きたがらない」と子どもを非難するよりも、親自身が心にゆとりを持って、「生きるって、めっちゃ楽しいよ」というメッセージが伝えられたらいいですよね。中村今日の座談会を振り返って、皆さんはどんな感想をお持ちですか。石本やっぱり会話は必要。子どもの機嫌をとるわけでもなく、親の気持ちを押しつけるのではなく、子どもも親も自由にいろいろな意見が出し合えて、それが楽しかったり、口論になって親子ゲンカになったりしても、それでもいいかなと思います。家族がいつも同じ方向を向いていなくても、家族だから戻れることもあるし、家族だから許し合えることもあります。心が通い合っていることを感じ取れたらいいなと思います。森川家族での会話にはきれいごとはいらないので、親も自分のだらしないところを見せたり、グチをこぼしたり、子どもがたまには聞き役になったり、そういう家族のかたちというのが理想。私はそういう家族になれたらいいなと思います。「子育て親育ち」座談会 【中学生編】子どもが話したがらないどうしよう…読者アンケートより子どもとのコミュニケーションで心掛けていることは?●子どもとの会話では否定せず、まず一度は受け止めて、 私の考えを話す(女性・34歳)●常に声掛けをし話が弾むように気を配る(女性・36歳)●話を聞く、認める、信じることを心掛け、オウム返し のような話し方の中で、「親もうれしい」「親も悲しい」 という気持ちを伝えていた(女性・42歳)●できるだけ上目線で言わないように、子どもと同じ目 線でと心掛けている(女性・43歳)●あいさつを心掛ける。特に「ありがとう」「ごめんなさ い」は、きちんと言うようにしている(女性・44歳)●まずは子どもの話を聞くことから始めた(男性・44歳)●けんかごしにならないよう、親が余裕を持って接する  ことを心掛けている(女性・47歳)●会話にユーモアを持たせている(女性・49歳)●どうしても質問形式になってしまうが、あまり突っ込 んで問いたださないようにしている(女性・50歳)●「うるさい、ウザイ」と連発されても怒らず、子どもか ら離れることなく、必要な事だけは話し掛けた。見守 ること、突き放すこと、耳を傾けることなど、親も勉 強だと思う(女性・50歳)●心安らぐ家庭環境を築き、会話の時間を作るように努 力する。愛されていると、本人が実感できるように接 する(女性・57歳)●子ども一人だけで食事を取らないようにし、できるだ け話し掛ける(女性・53歳)●食事の時、テレビは付けないようにする(女性・28歳)村由利江さん(60歳・府中町)。広島県教育委員会「食・遊・読」アドバイザー、府中町学校支援コーディネーターとして活躍。紙芝居「夢屋」の〝おっちゃん〟として保育園や老人施設を巡業中この座談会は、6月17日にバルコムユーストリームスタジオ(西区大芝)の協力を得て、ユーストリームで同時放映しました。さらに、ツイッターで意見や感想を呼びかけ、放映中にその意見を反映させました。ウェブサイト「LICOひろしま」内にある「子育て親育ち」のバナーをクリックすると、過去の座談会もご覧いただけます前回の座談会は、不登校がテーマでした。親子間のコミュニケーションがポイントとなりましたが、子どもの成長とともに、だんだんと親子の会話が減っていきがち。そこで、親子でのコミュニケーションの取り方について、中学生を持つ2人のママと、進行役で先輩お母さんとが話し合いました。その模様を紹介します。(イラスト:黒松晴美)▲石本智香子さん(46歳・府中町/長男14歳・中3、次男12歳・中1)、若竹保育園子育て支援センタースタッフ、府中町学校支援コーディネーターとして活躍中(40歳・府中町/長男12歳・中1、長女10歳・小5)、若竹保育園子育て支援センタースタッフ、府中町学校支援コーディネーターとして活躍中次回「子育て親育ち」座談会の予告家庭学習を定着させるには?7月下旬に実施の予定、本紙でお知らせしますLICO 子育て親育ち検索 広島リビング新聞社では、「子育て親育ち」をテーマに、毎月1回、座談会を行っています、 次回は、7月下旬の予定です。夏休みの間に、勉強するくせをつけさせたいと願う親御さんも多いかと思います。そこで、「家庭学習を定着させるには?」をテーマに、小学生を持つお母さんと、進行役で先輩ママの平城智恵子さん(写真上)とが、約1時間話し合います。その模様は、リアルタイムにユーストリームでご覧いただけます。座談会の開催日や、書き込み用のワークシートは、ウェブサイト「LICOひろしま」の子育て親育ちコーナーに掲示します。また、過去の座談会の様子を知りたい方も、同サイトをご覧ください。▲平城智恵子さん西区古田公民館を拠点に「子どもをミソにまちつくり隊」の代表として活躍中Vol.5【調査概要】広島リビング新聞社グループウェブサイトで4月16日から12日間調査。有効回答者134人。詳しくは「LICO 気になる数字」でウェブ検索を。「過去のアンケート結果」内にあります見本

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